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【10年ぶりのSalesforce改修。成功の秘訣とは】縄文アソシエイツ株式会社様インタビュー

日系エグゼクティブサーチファームの草分けとして、"真のリーダー"の発掘と育成を支援している縄文アソシエイツ株式会社様。2014年に顧客管理ツールとしてSalesforceを導入後、今回、初の大規模改修を行いました。Praztoは開発ベンダーとして、10年ぶりのSalesforce改修をご支援。無事にプロジェクトを完遂いたしました。なぜ大規模改修をPraztoにご依頼いただいたのか、そしてその評価は? プロジェクト成功の秘訣について、縄文アソシエイツ代表取締役社長の古田直裕様と、Prazto代表の芳賀が語ります。

古田 直裕(ふるた なおひろ)
縄文アソシエイツ株式会社 代表取締役社長
立教大学理学部卒業。カーネギーメロン大学MBA。巴川製紙所でERP(SAP R/3)の導入、海外事業の運営全般に携わる。MBA留学後は、米国グレンジャーで中国・インドでの販路拡大やモノタロウの海外事業(ECサイト運営)を支援。経営におけるデジタル人材の登用や、日本人がグローバルに活躍するお手伝いをすべく、2014年に縄文アソシエイツに参画。2020年6月に代表取締役に就任。Salesforceやリモート環境の導入など、自社のIT、DX推進も担当。

牧元 百合香(まきもと ゆりか)
縄文アソシエイツ株式会社 アソシエイト/リサーチャー

2001年、医師紹介会社のMRTにて、コンサルタントとして医療機関/健診センターへの医師紹介に従事。2007年、縄文アソシエイツに参画。コンサルタントのサポートとして、営業・候補者サーチ・講座運営等に携わる。二人の娘を出産後、2012年、ヒューマン・アソシエイツグループにて、リサーチャー・コンサルタント・IR業務に従事。
2022年、縄文アソシエイツへ復帰。候補者サーチやSalesforce改修業務等を担当。

芳賀 怜史(はが さとし)
株式会社Prazto CEO / 智歳株式会社 CEO
早稲田大学を卒業後、SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。 2019年にSalesforceを使用した受託開発を行う株式会社Praztoを創業。2022年にはSalesforceパートナーのルーキー企業としての最優秀賞であるEmerging Partner of the year - Consulting - を受賞し、年商3.7億円にまで事業を成長させる。 2024年に2社目となる智歳株式会社を創業し、プロダクト事業および分析プラットフォーム事業の展開を開始。Praztoの事業を通じて出会ったプロフェッショナルなスキルを有したエンジニア、デザイナー、フロントエンジニア、フォトグラファー、ライターと一緒に唯一無二のサービスを構築して、顧客のビジネスの価値を向上させるサービスを創る。

森 大(もり だい)
株式会社Prazto システム開発事業部長
大学卒業後、住宅系スタートアップ企業に就職。営業職や業務改善担当を経験しながら顧客課題の解決に深い経験を積んだのちに、Salesforceを含む管理者業務に従事。2022年11月Praztoに参画し、数多くのPJで成功経験を積み重ね、現在はシステム開発事業部長として、組織の型化や拡大の為の基盤づくりを統括。自らも導入支援のPMとしての実務を行う。

幹部層の新しい挑戦を、長いアプローチで支援

芳賀:まずは御社の事業紹介からお願いします。

古田:弊社は、幹部人材の紹介事業をメインビジネスとしています。プライム上場企業かつ売り上げ2000億円以上のお客様がボリュームゾーンです。そういった企業様に対して執行役員や部長職以上の方をご紹介しています。最近ではコーポレートガバナンス強化への取り組みから、いわゆる社外取締役や社外監査役のご紹介もニーズが高まっています。
また、1996年の創業時から「価値ある出会いを無数に創りすべての人が働くことの素晴らしさを実感できる社会の実現に貢献します」という理念を掲げています。
例えば、10000人規模の会社をより良くしようとしたら、もちろん10000人全体の底上げも大事です。しかし、私たちが会社の成長に一番効果的だと思っているのは、何人かの優秀なリーダーを連れてくること。そうすれば10000人全員が幸せになるのではないかと思っています。
そのため弊社は、あくまでリーダー層にフォーカスした転職ご支援をしてます。ただし、一般的な人材紹介会社のように、いわゆる広告を出して人を集め、企業様に提案するわけではありません。
幹部レベルの人材は、基本的には現職でもご活躍されてる方です。そういった方に対して、転職を薦めるのではなく、「今後のキャリアを考える上で何かしらのお手伝いになる新しい出会いをご紹介」というアプローチから始めます。なので、人によっては10年近いお付き合いをした上で、ご紹介が成立するパターンもあります。
非常に息の長いアプローチをしながら、最終的には新たな場で挑戦してみようと思っていただくきっかけを提供しています。

会話からのご紹介を重視。だからこそ人材紹介システムよりSalesforceがマッチ

芳賀:御社は2014年にSalesforceを導入されています。当時、導入された理由も教えてください。

古田:もちろん、人材紹介業向けシステムは世の中にたくさんあります。ただ、それらのシステムは、どちらかというと定量的な数値でのマッチングがメイン。例えば、年齢、性別、経験、スキルといった属性に対して、求人を当てていく仕組みです。
一方、弊社のターゲットである経営層人財の場合、求人票すらないことも多いのです。企業様との雑談の中から、「この企業様にこういう人材を紹介したら良さそうではないか」というのが見えてきますし、候補者の方にも「そういった考えをお持ちでしたら、この社長さんに会ってみませんか?」といったように、非常に定性的な内容からご紹介がはじまります。
なので、企業様や各候補者との会話内容も、コンタクト記録として文字で残す必要があるのです。その方と去年はどんな会話をしていたか、3年前はどんな会話をしていたか、加えてメールや電話の記録もズラッと一覧で見られることを、弊社としては求めていたのです。
だからこそ、人材紹介業者向けの専門システムよりも、SFAとしての機能を持ったSalesforceの方が弊社にはマッチしました。

芳賀:導入する時は、どのような流れだったのでしょうか?

古田:創業から2014年頃までは、一度大規模なシステム改修は挟みつつも、基本的にはスクラッチ開発した自社の独自システムを使っていました。そのシステムを2014年に更新する際、今後もスクラッチで作り続けるかパッケージシステムを導入するかを検討しました。
様々なシステムを検討する中で、Salesforceだったら自分たちがやりたいこともできて、スクラッチだとできなかったレコード機能もある。そして将来的なAI分析なども考えると、Salesforceがベストではないかと、導入に至りました。

技術力への信頼感から、10年ぶりの改修をPraztoへ依頼

芳賀:今回、Salesforceを改修されることになったきっかけは?

古田:導入から10年経ちましたが、これまで大きな改修はなく使い続けることができました。ただ、当時のオペレーションをもとに作っていたので、コロナ以降のリモートワークへの対応や、生産性向上の観点で、徐々に“痒い所に手が届かない”状況も増えてきたのです。
また、10年経ったことで、「こういう数字をわざわざレポート作らなくても、見に行けるといいよね」「この検索機能がもっとこうなれば効率良いのに」といった具体的なニーズが溜まってきました。Salesforce自体を別のシステムに刷新するのではなく、さらに強化することで次の10年も使い続けたいと考え、大規模改修プロジェクトが立ち上がりました。

芳賀:弊社に改修を依頼していただいた理由も教えていただけますか?

古田:技術的に信頼できたからです。今回の目的は、なにもAIを使って最先端なことを実現したいわけではありません。今ある技術で、しっかり生産性を上げられるソリッドなことをやりたかった。そういった意味でも、御社がフィットすると感じ、お願いしました。
例えば、営業担当が話していたことと、実際の現場ができることにギャップがあってプロジェクトが炎上する…というのはよくありますよね? なのでベンダー選定の際は、営業トークが上手いかよりも、技術力がしっかりあって、信頼できるかを見極めていました。

芳賀:実はベンダー選定段階で最初にさせていただいたプレゼンは、弊社としては上手く強みを伝えきれなかったなと反省していた点もありまして…。なので、選定いただいた時は嬉しかった半面、驚きもありました。ただ、技術力の信頼度には確かに自信を持っている部分でもあります。今のお話しを聞いて納得しました。
弊社はまだまだ小さい会社ということもあり、コンサルタント一人一人が技術者として高いクオリティを持ち、お客様に価値を提供できるレベルを目指しています。その点が御社のご希望にフィットしたのはありがたいかぎりです。

古田:今だから言えますが、ベンダー選定の際は、プレゼンの上手さよりも、実績を重視していました。御社の実績からも技術の裏付けを感じられました。

具体的な機能要件に対し、踏み込んだ提案をしてくれたPrazto

芳賀:今回のプロジェクトに関して、実際のご支援に対する評価もいただけますか?

古田:非常に誠実に対応いただいた印象で、弊社としてはほぼストレスを感じずに改修を終えることができました。一貫して信頼感は崩れることなく、最後まで遂行できたと感じています。

芳賀:ありがとうございます。御社はClassic環境でしたが、とても効率的に設計されていた印象です。Salesforce導入時にいかに丁寧に設計されていたかが一目でわかりました。また、御社ほど明確に、最初の段階で機能要件を整理されているお客様はとても珍しいです。

古田:弊社は、無駄なことは極限まで削る文化があり、自分たちの強みを最大限に生かすためにはどんな改善が必要かを、具体的に議論してきました。例えば、コンプライアンス上必要なことはやりつつもいわゆる社内用のPower pointやExcel資料作成などの無駄な社内調整作業を極限まで削っています。恐らく同業他社と比較しても、生産性は5~6倍高いです。
とにかく「人と会うこと」こそ本質的に重要だと考えているので、そこに時間を使えるよう無駄な作業を省くことにフォーカスしています。普段からそのようなスタンスだからこそ、弊社の要望は明確だったのかと思います。
弊社はデータサイエンス部隊を持ってるわけでもないですし、AI技術で差別化しようとも思っていません。AIを使った夢物語ではなく、自分たちが本当に必要な改善は何か、丁寧に考えてきました。その結果、例えば「グローバル検索をこうしたい」などの具体的な要望を御社に投げられました。しかも御社はこちらの要望に対してとても的確に回答いただけた印象です。

芳賀:今回ご要望としていただいたグローバル検索のカスタマイズに関しても、他のベンダーさんだと割とすぐに「無理です」と断ってしまうことも多いご要望だったと考えています。ですが、弊社は技術のスペシャリスト集団として、すぐに断るのではなく、様々な検証をして、何とかできる方法を探るという踏み込み方をしてきました。その点をご評価いただき、とても嬉しいです。

慎重に検討しながら、経営にヒントを与えるAI活用を目指したい

芳賀:改修後のSalesforceで、すでに新しい改善希望点は出てきていますか?

古田:まずは日程調整機能を追加したいですね。幹部クラスの方だと秘書同士がやり取りをされるので、日程調整にとても時間がかかってしまって。スケジュールが確定したら必要な時には自動的にzoomのURLが発行される仕組みになると業務もラクになるだろうなとは感じます。
とは言え、ハイクラス向けサービスを提供している以上、ある程度の上質なUIも必要です。効率と上質さを両立できる方法があると良いですね。
また、名刺入力も効率化したいです。弊社は個人が企業から離れた後もお付き合いが続きます。一人の方に対して連絡先を複数紐づけしつつ、流し込む方法があれば良いなと。現状はサポートが手入力をしているので、アシストする機能を導入したいですね。
ただ、なんでも自動化したいわけではありません。自動化することでコンサルタントの能力が磨かれる機会の損失はしたくないと思っています。会話内容を要約して自分で入力することが、コンサルタントとしての成長に繋がる部分もあるとは思うので。業務の自動化は、あくまで慎重に進めていきたいとは思っています。

芳賀:弊社もフルリモート環境なので、ミーティングでは、自動書き起こし要約ツールを使用しています。ただ、そのツールだけでは、まだまだお客様に出せるレベルの要約にはなりません。どういうコンセプトで何を狙って話していて、どういった答えを得て、ネクストアクションは何なのか。そういった構造化がされていないんですよね。だからこそ、AI技術や自動化ツールをそのまま信用しているだけでは、使用する側の能力は衰えていくだろうとは感じます。

古田:そうですよね。人間の能力向上と効率化が両立できるようなAIによる自動化をしていきたいです。
また、AIを活用したお客様とコンサルタントの会話データの分析も、目指していけたらと考えています。
お客様との会話データを活かすことで、その企業様の課題も探れて、様々な提案ができるのではないかと思っています。例えば社員の年齢別、職種別の悩みなどを提示できるのかなと。
また、コンサルタントに対するフィードバックにも使えそうだなと考えています。クライアントの課題解決やコンサルタントの教育に対して、AIにヒントを出してもらえるような仕組みも構築できたらと思いますね。

芳賀:確かにAI分析は「経営にヒントを与える」という使い方はできそうですよね。御社に合いそうなツールを見つけたら、ぜひご紹介させていただきたいです。

古田:ありがとうございます。私たちは、自動化を進める時に、「それは本当に自動化して良いものなのか」と考えることを大切にしています。自動化してみたけど、やっぱり手作業でやるべきだった。でも、今さら戻せない、といった状況はナンセンスです。
ほしい機能があった時に、導入コストや手間を考えて本質的に売り上げを生まないと判断したものは導入しません。自動化をする際はデメリットも検証しながら、丁寧に進めていく予定です。

継続性を大切に、数年後の改修もPraztoにお願いしたい

芳賀:今後の弊社に期待している点も伺えますか?

古田:Salesforceに関しては、引き続きお手伝いいただきたいと思ってます。今すぐ次の課題を解消したいというより、数年は今のSalesforceを使い、どこかのタイミングで改修をするかと思います。そんな時にぜひまたお願いしたいですし、困った時に気軽に相談できる関係性でお付き合いいただけると嬉しいです。

芳賀:よろしくお願いいたします。弊社は気軽に話せるメンバーが揃っています。ご要件に対しての最適解をそれぞれのメンバーが即答できる体制ではあるので、今後も気軽にご相談ください。

古田:私たちも継続したお付き合いの中で、いい仕事をしていきたいですし、御社のようなパートナー企業を一番大切にしたいと思っています。今回、御社には本当に良い仕事していただきました。なので、またSalesforce改修の機能要件が固まり、アップデートをすることになったら、ぜひまたお願いしたいと心から思っています。

 (構成:菱山恵巳子)

■縄文アソシエイツ様のnoteはこちら

■株式会社Praztoについて
Praztoは、Salesforceを中心としたSaaS導入における企業課題の解決を力強く支援する「SaaS導入コンサルティング事業」を中心に展開しています。
あらゆる分野のSaaSが市場に普及するなか、適材適所なSaaSをどのように配置・構成するか、どのようにカスタマイズするかが、お客様のビジネスを加速させるためにとても重要になってきています。
我々Praztoは、お客様のビジネスパートナーとして一緒に課題発見をして、それを解決するコンサルティングチームです。

■会社概要

社名:株式会社Prazto
本社:東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア39階
代表者:代表取締役 芳賀 怜史
設立:2019 年
URL:https://www.prazto.com/

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