【同じ側に立って一緒に課題を見つける。そんな本質的な「伴走」を実現してくれたのがPraztoさんだった】株式会社ニューズピックス様インタビュー
経済ニュースに特化したソーシャルメディア「NewsPicks」が誕生したのは2013年のこと。2015年4月に親会社である株式会社ユーザベースから分社化しました。当初は、コンテンツのサブスクリプションから始まりましたが、今では書籍の出版(Publishing)、研修事業(NewSchool)、法人事業(Enterprise)、さらには動画制作・配信など、事業が多様化しています。
その事業成長の基盤となっているSalesforce活用の様子やPraztoへの期待、今後の展望について、経営企画本部部長の蒲原慎志さんに伺いました。
● 蒲原 慎志(かもはら しんじ)
株式会社ニューズピックス 経営企画本部 部長。SIerでエンジニアとして従事したのち、コンサルティングファームの戦略事業部に参画し、事業戦略策定、業務改革等に従事。コンサルティングスキル研修の講師も務める。その後、楽天にてマーケティング企画、買収した海外企業の日本事業の立ち上げ等に従事。スタートアップ企業を経て、NewsPicksに参画。現在に至る。
● 芳賀 怜史(はが さとし)
株式会社Prazto 代表。SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。「伴走型のSalesforce導入支援によるお客様への価値の提供、エンジニアリングを通じたオーナーシップのある働き方の創出」この両立を実現する事業を展開する株式会社Praztoを創業し独立。創業から現在に至るまでリードコンサルタントとして従事。 多くのSaaS企業のSalesforce組織の構築において、Salesforce組織のあり方の討議から実装までを一気通貫でご支援し成功に導く。
スピードを重視し、極力内製できるようにしてきたが、事業成長を加速するためには、対応力に限界が・・・
芳賀:2020年8月より貴社のご支援をさせていただいておりますが、当社にお声がけいただくに至った背景について改めてお教えいただけますでしょうか?
蒲原:当社では創業2年目である2016年に、基幹業務の改善を目的としてSalesforceを導入しました。以来、社内のほぼ全ての業務プロセスをカバーしていますが、この開発・運用を社内の、私ともう1名だけで手がけてきたのです。それは、事業成長を損なわないスピード感を重視してのことでした。外部のベンダーにすべてを外注してしまうと、ちょっとした変更対応でも、時間がかかってしまうことを避けたかったのです。ただ、事業成長とともにSalesforceでの業務カバー領域も広がっており、2人体制をこのまま続けていると、それが事業成長の足かせになりかねないというところまで来てしまいました。そんな時に、Salesforce関連のコミュニティの方からPraztoさんを勧められ、お願いすることとしました。
芳賀:事業成長を妨げないようなスピード感は、絶対条件だったわけですね。私もかつてはSalesforceの運用担当者だった経験もあるので、その感覚はものすごく分かります。外部のベンダーにすべてを頼んでしまうと、1時間もあればできそうなことでも 1ヵ月もかかってしまうといったことがありますよね(笑)。
蒲原:そうなんです。導入当初は外部に依頼していた時期もありましたが、早く対応しなければならないケースなどに自分たちで対応していくうちに、結果として内製になっていったという感じです。やればやるほど、自分たちでできる技術的な範囲も広がってきたので。ただ、その対応にも限界を感じたので、自分たちがやる領域・依頼する領域をより明確に分けることにしたというわけです。
芳賀:その「自分たちがやる領域・依頼する領域」の線引きはどのように考えていますか?
蒲原:Apexはお願いして、それ以外は内製、というのが大方針です。その間にあるFlowが勉強中で、そこは自分たちでできるようにしておきたいですね。依頼するにしても全てを託しきってしまうのではなく、自分たちが理解している状態でお願いすることが大事だと考えています。
芳賀:たしかに、そのほうが双方の意思疎通がしやすく、それがさらなるスピード感にもつながりますね。
蒲原:ですから内製力はキープしつつ、当社の望むスピード感で楽しく一緒に創り上げていってくれるパートナーが理想で、それがPraztoさんだったわけです。
芳賀:伴走型支援を主事業としている当社としては、そういった評価をいただけるのはとても嬉しいです!
ユーザーの活用事例大会で準優勝。チームの皆で取り組み、獲得できたことが大きな喜び。
芳賀:Salesforceと一口に言っても、広範なサービスがありますが、御社ではどのように進めてこられたのですか?
蒲原:導入当初はForce.comのみで、ほぼ全てを一からカスタマイズで構築していました。もともと「会社の規模感からいって時期尚早では」という社内の声はありましたが、スケールできるというのが導入の決め手でした。やがて会社の成長につれて、SalesCloudを入れてForce.comと共存。部署ごとに商談だけ、発注だけなど使い方もそれぞれでした。そのタイミングでSalesCloudに完全に移行。そして2019年の春にLightningに移行してと、導入からの5年でもいろいろな変遷を経てきています。
芳賀:それらを社内の2名体制でやってこられたのは、本当にすごいですね!この2020年8月からPraztoでご支援させていただいていますが、御社はSalesforceをものすごく使いこなされている印象があります。基幹システムとして使用されているからこそではありますが、業務フローに密着した形で作りこまれており、そして社員の皆さんが本当にSalesforceを使い込まれていますね。
蒲原:社員数に対するID数は9割超ですので、たしかにメールやグループウェア並みに定着はしていますね。ただ、ダッシュボードのような意思決定に使えるようなものの使い方に関しては、まだまだ強化が必要だと思っています。
芳賀:しかし、8月に開催されたユーザーの活用事例大会(第8回Salesforce全国活用チャンピオン大会「SFUG CUP 2020」)では全国予選を勝ち抜いた6社として登壇され、準優勝という高いお墨付きが得られましたよね。
蒲原:「4年で12倍の売上成長を支えた事業基盤・基幹システムSalesforce」というテーマで発表しました。改めて外部から評価いただけて自信になりましたし、何より社員に対してのアピールにもなりましたね。この大会以降、社内でもSalesforceの位置付けが変わった部分もあるように思います。だからこそ、より事業成長に活用できる基盤として位置付けられるよう、継続して整備していきたいと考えています。
「SFUG CUP 2020 決勝大会」での蒲原様の発表資料より。
営業・受注系だけではなく、記事制作業務、反社チェックや与信管理などのすべてのプロセスをSalesforceで一元管理している。
(参照:https://enterprisezine.jp/article/detail/13396)
芳賀:たしかに、事業が拡大していくときに、セールスなど現場の方や事業責任者がSalesforceの運用などができると、施策を加速させやすいですね。
蒲原:当社はそもそもバリューの1つとして「自由主義で行こう」と掲げています。個々が高い責任感と倫理観を持った上での自由主義なのですが、システムに関しても誰かにやってもらうのではなく、「自分でやる・やりきる」というのを徹底していきたいのです。だからこそ、皆が自分でできるよう、業務プロセス自体の仕組み化もさらに進めているところです。
芳賀:仕組み化の重要性というのは、私自身もとても共感しています。そこがカギですよね。
蒲原:その仕組み化したものを浸透させていく際にも、大掛かりな説明会を開催して…という方法とは異なる方法で、浸透を進めたいと思っています。システムを作る側・使う側という対立関係にはしたくなくて、あくまで同じ側に立っていて、一緒に作り上げていくというスタンスを大事にしたいのです。私たちのほうでも各部署の現場にできるだけ入っていってその業務を知り、課題を共有して、一緒に解決していこうという姿勢ですね。実際、システムも事業成長に合わせて作りこんでいく中で、毎回100点とはいかないものですが、そうやって一緒に作っていくスタンスがあれば、運用でカバーする部分も含めて、うまくやっていけると思います。
芳賀:Salesforceって自由度が高い分、何でもできますが、後の事業や環境変化を考えるとあまり作りこみすぎないほうが良いですものね。程よく70点くらいに仕上げ続けていく、いわば「永遠のβ版」を作っていくイメージでしょう(笑)。
蒲原:なるほど、サグラダファミリアだと思えばいい(笑)。それ、すごく分かりますね。
受注者・発注者ではなく、同じ側に立って一緒に課題を見つけ、解決していく。そんな本質的な「伴走型」を叶えてくれたのがPraztoだった。
芳賀:今回、PraztoのSalesforce導入支援を選んでいただいたわけですが、その他のSIベンダーやフリーランスのエンジニアなども選択肢ではあったと思います。その中で、Praztoを選んでいただいた理由は何だったのでしょうか?
蒲原:「伴走型支援」という点ですね。システム開発はウォーターフォールかアジャイルかと言われますが、「伴走型」はそのどちらでもなくて、一緒に話しながら作っていく、ということ。当社では日々やりたいことが浮かんできて、どうしようかと思うわけですが、そこを一緒にやっていただけるというのが一番でしたね。
芳賀:ありがとうございます。「伴走型」のパートナーに求めるのは、どういう点ですか?
蒲原:Salesforceの技術、特に実現力というのは大前提で、ポイントは「スピード感が合うこと」と「対等な関係性」ですね。
スピードというのは早いだけではなく、当社のその時々の感覚に合わせてもらえるのが良いのです。緩い時は緩く、でも瞬発力みたいな対応もできるというのが有難いです。その上で、同じ側に立って課題に向き合ってもらえること。ビジネス上は発注側・受注側なのですが、それだと本質的な対等性はありません。そうではなく、課題を同じ側から見て対等であることを大事にしたいのです。理想は、まさにPraztoさんの「伴走」ですね。
芳賀:一緒に課題を解決することは、Praztoとしても特に大事にしている点なので そこを評価してもらえるのは嬉しいです。結局、皆さんが求められているのはSalesforceのシステムを作るところよりも、それまでの課題を解決する部分にあるんですよね。そのために伴走しているのだと思っています。ニーズが具体的にならないとアクションが起こらないというのでは足りない。そんな感覚を、Praztoのエンジニアには徹底させています。
それは、Salesforceが自由度や拡張性の高いサービスだからこそであって、パッケージ的な答があるわけではないので、お客様の会社ごと、業務ごとに何をやるかを決めていかねばなりません。だから一緒に考えるというのを大事にしたいと考えます。
蒲原:時には、一緒に悶々とする感じですね。「これ、難しいですね…」「うーん、こうやれば、どうですか?」「ああ、そうか!」といった関係性がいいですね。常に一緒にいるので、当社のその時点での状況にもキャッチアップしてもらえてるので話が早いです。
芳賀:いま、Praztoとして週1回定例で討議をさせていただいており、そこで課題を見つけていますが、まさにそのような感じですね。データベースの可視化など、人手や時間が足りずに手がつけられていない課題を、先回りして指摘。着手してもらえたら、最高、という感じで。
芳賀:逆に、Praztoへの不満や要望などはありませんか?
蒲原:不満があったら、このインタビュー自体をお引き受けしていません(笑)。本当にPraztoさんのように、一緒に課題を見つけてくれる、一緒に未来を見据えてくれるような支援サービスって、ありそうでないと実感しています。
芳賀:そうですね。どうしても「お客様が何も言わなければ、何も動かない…」という事態に普通であれば、なりがちかもしれません。そこは他社と弊社の大きな差別化ポイントで、Praztoではお客様が言わなくても、こちらで気づくことがあればアクティベートして課題を見つけていこう、という姿勢でいます。
蒲原:そこは本当に有難いのですが、Salesforceに関する相当な技術力があるからこそ、できることですよね。伴走するというのは、なにげない打ち合わせでも「そういえば、こんなことがあって…」とこちらが持ちかけることに対して、できないとか分からないとは言いにくいと思うのですが、そんな恐怖感はないものですか?(笑) 自分がその立場だったら、毎回すごく緊張してしまいそうなので聞くのですが…
芳賀:Praztoではお客様のカウンターパートになる者は全員、Salesforceのスペシャリストとして詳しくあるべきだと思い、そして実行しているので大丈夫です。たしかに、一般的なシステム会社だとPMなど、お客様と直接対応する担当者がそこまでSalesforceに詳しくなかったりケースもあると聞きます。その場合、その場でお客様からの質問に答えられず、持ち帰ってエンジニアに聞くことになったりと…スピード感は削がれるかもしれません。
蒲原:なるほど。たしかに、そうならない技術の強さが、Praztoさんには感じますね。こちらの思いつきに対してもビビらないでいてくれるのは、本当に頼もしいです。
芳賀:御社はそもそもSalesforceの技術力や理解力が高いので、これまで設計されている部分もきれいに作られていますし、新たに作る部分についても一歩踏み込んで、このフローを実現してこうしたい、という絵まで描かれます。そのため、Praztoとしても非常に有効性ある支援をさせていただけていますね。
蒲原:一定の技術力があるのにはジレンマもあるんです。保守まで含めると、実は最適ではないやり方を採用している場合もあり得るような気がするんですね。そこはPraztoさんに期待したいところで、例えば「同じことをやるならAよりBのほうが良いと。Bは設計に倍かかるけれど、保守性は3倍高い」といったことをアドバイスしてもらいたいです。
芳賀:なるほど。たしかにEinstein AnalyticsやTableauあたりは特徴があって、それぞれ得意な領域がありますね。
蒲原:そうそう。そういったところは当社では判断軸を持ち合わせていないので、ぜひ教えてください。
「基幹システムとしてのSalesforce」をリードしていくという野望に、一緒に取り組んでもらいたい
芳賀:今後、御社がSalesforceで目指すものは何でしょうか?
蒲原:当社にとってはすでに「セールス」のためのフォースを超えて、「ビジネス」のためのフォースとなっています。本質的な事業基盤であり、その上にあらゆるビジネスのプロセスが乗っているわけですね。ですから、そのプロセス起点で考えることを大事にしたいのです。Salesforceをこう使うといった発想ではなく、当社業務が流れている、その基盤がたまたまSalesforceという風に持っていきたい。
その目的は2つあって、まず、これからの事業成長を支援し、加速するための基盤であるということ。そして、Salesforceの活用法や事業基盤のあり方などを再定義して、新しい形を作っていきたいということです。
芳賀:御社の支援をしていて感じるのは、業務プロセスが全てピシッと定義されており、それにフィットした組織となっていることです。まさにプロセス起点で、だからこそSalesforceが事業基盤として磐石なわけですね。
蒲原:野望としては、Salesforceを基幹システムとして使う形を率先して示していきたいのです。実際、「SFUG CUP 2020」で登壇して以来、同様の志向性を持たれる企業から声がけを多くいただきました。そこをコミュニティ化して、Salesforceを基幹システムとして使うとはどういうことなのか。そのためには何が必要かを、共に探っていきたいです。
芳賀:そのための具体策も、着々と描かれていますね。
蒲原:そうですね。すごくワクワクしているんです(笑)。そんな風に、常に進化し続けていきますので引き続き、一緒に未来を見据えてください。
芳賀:こちらとしてもとても楽しいです! ぜひよろしくお願いします。
【編集後記】
今回、1時間のインタビュー時間でしたが、お互いが「Salesforceが好き!」なためか、あっという間に終始談笑しながらインタビューすることができました。
とても紳士的に接してくださる蒲原さん、NewsPicksさんに対して、これからも精一杯のご支援をさせていただきます。
この度はお忙しいところ、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
最後に・・・
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