【B2B SaaSのKPI指標をTableauを使用して巧みに可視化。「今後の成長には欠かせないデータの可視化だった」】アガサ株式会社様インタビュー
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【B2B SaaSのKPI指標をTableauを使用して巧みに可視化。「今後の成長には欠かせないデータの可視化だった」】アガサ株式会社様インタビュー

臨床研究・治験の文書管理クラウドサービスを医療機関と製薬企業向けに提供し、2021年11月に3.6億円の資金調達を行うなど、現在、急成長中のアガサ株式会社様へのご支援として、株式会社Praztoでは今後の事業拡大の核となるTabelauでの「B2B SaaS KPIダッシュボード」の構築をさせて頂きました。今回のインタビューでは、代表取締役社長の鎌倉千恵美さんに、何が事業の課題だったのか、その解決策としてなぜTableauを選び何を可視化したのか、今後の展望として何を期待しているのか、そしてPraztoへの期待について伺いました。

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鎌倉 千恵美(かまくら ちえみ)
アガサ株式会社 代表取締役社長
名古屋工業大学大学院を卒業後、総務省総合通信基盤局に入省。2001年に日立製作所に転職し、製薬・医療機関向けの新ビジネス開発と新ソリューションの基本設計、プロジェクトマネジメント業務を担当。2011年、製薬企業向け文書管理システムを開発する米国ベンチャー起業NextDocs Corporationの日本支社代表となる。2015年10月、アガサを設立して、代表取締役社長に就任。

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● 芳賀 怜史(はが さとし)
株式会社Prazto 代表取締役社長
早稲田大学を卒業後、SIer、外資系マーケティング会社、Salesforceゴールドパートナー企業と3社の経験の中でエンジニアリングを通じて多くのお客様の課題解決を行う。「伴走型のSalesforce導入支援によるお客様への価値の提供、エンジニアリングを通じたオーナーシップのあるキャリアの創出」この両立を実現する事業を展開する株式会社Praztoを創業し独立。創業から現在に至るまでリードコンサルタントとして従事。 多くのSaaS企業のSalesforce組織の構築において、Salesforce組織のあり方の討議から実装までを一気通貫でご支援し成功に導く。

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● 濱森 俊行(はまもり としゆき)
株式会社Prazto SaaS導入支援事業部 Consutant
大学を卒業後、株式会社エイチームに新卒入社。グループ会社にて結婚式場情報サイト「ハナユメ」のwebマーケティング・企画営業を経験後、営業推進に従事。営業組織の新たな営業手法の仕組みづくりを行う。2021年6月より副業としてPraztoに関わる。2021年9月にConsultantとしてPraztoに参画。

KPI管理と内部統制対応でSalesforceに移行

芳賀:アガサ様では、Salesforceの運用を開始してからどれくらいになるのですか?

鎌倉:2020年の11月に導入したので、ちょうど1年ですね。その後Prazto様に支援していただいたおかげで、Salesforce上でKPIも見られるようになりました。今後は営業だけでなく、CS(カスタマーサクセス)など他の部署でも使っていくなど、”プラスアルファの部分”が課題ですね。

芳賀:KPI可視化は経営上でも重要ですからね。貢献できて光栄です。もともとのSalesforce導入の背景について教えていただけますでしょうか。 

鎌倉:もともとは別のCRMシステムを使っていました。しかし今後、上場を目指す中で、SOC 2(Service and Organization Controls 2:ITサービス企業における内部統制の監査)に対応したシステムであるべきという指摘を監査法人から受けSalesforceを採択しました。また、経理関係などのプロセスも内部統制に対応したものにする必要もあるので、その点でもSalesforceは必要でした。

芳賀:なるほど。日本だけではなく世界各国で使われているSalesforceはセキュリティや内部統制の点でも盤石ですからね。今回のシステム入れ替えの目的は、内部統制がメインだったということでしょうか?

鎌倉:内部統制目的ということもありますが、それだけではなくKPIなどの様々なデータの可視化という点でも、やはりSalesforceですね。アガサはSaaSビジネスの会社ですので、様々な指標が取りやすく、それを経営に生かせるのが、SaaSビジネスの強みです。しかし、以前のシステムはSalesforceに近しいオペレーションはできたのですが、KPI管理に課題がありました。おそらく以前のシステムでも、やろうと思えばそれなりにはできたかもしれないですが、ご支援いただけるパートナーがおらず、自力でやっていくのには限界がありました。その課題の中でSalesforceでのKPI管理はとても魅力的でした。

芳賀:分かります。より盤石かつ強固な経営をする上では欠かせないですからね。別のCRMからSalesforceへの移行についての苦労はどんな点がありましたでしょうか?

鎌倉:それはもう、とても苦労しましたね。というのも、以前のCRMを導入したときは、まだ従業人が5名程度でしたので、特に細かいプロセスやルールをあまり決めずに「みんなで使いながら運用ルールが徐々に決まっていく」という感じでしたが、特に問題にならなかったんです。

Salesforceへの入れ替えを決めた頃には、営業が10名程度、CS(カスタマーサクセス)も10名程度に増え、さらには海外にもメンバーがいる状態でした。この段階できちんとプロセスを明らかにしないと、仕事を円滑に進められない状態です。しかし、いざプロセスを見直そうとしても、同じ業務であっても人によって若干プロセス違うということもわかったのです。また「あるべき姿」が決まっていなかったのもあり、「今とやり方が変わったら大変」「内部統制ではこうしないといけない」「前職ではこうだったのに」と意見が社内で分かれてしまって・・・。当時はSalesforceの導入プロジェクトの責任者も決めておらず、プロセスの見直しに時間がかかり、現在に至るまで1年もの時間を要してしまいました。

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予算と実績の比較、SaaS KPIを可視化するためにTableauを導入

芳賀:今回「新たにTableauダッシュボードを使いたい」というご相談もいただいていますね。Salesforceだけではなくなぜ「Tableauも活用する」という方針に至ったのでしょうか。改めて当時の状況についてお聞かせください。

鎌倉:はい。Salesforceで当初の第一目標だった「KPIの可視化」「内部統制などの整備」は達成できました。しかしSalesforceの活用が進むにつれ、それだけではなく、予算と実績の比較やSaaS KPIの可視化を柔軟に行う必要性も出てきました。「今のこの瞬間の商談データ」はSalesforceでも簡単に見えるのですが、様々の切り口での予実の管理のSaaS KPIの可視化はSalesforceだけでは限界があるので、「Tableauも活用する」という方針に至りました。

芳賀:そうなんですよね。実は、他のお客様からも同じお悩みをよくいただきます。一見すると「Salesforce標準のダッシュボードでも出来るのでは?」と思いがちですが、NRR(Net Revenue Retention:売上継続率)などの”複雑な除算が関連する計算式”を様々な切り口で可視化しよう、と思うとSalesforceだけだと難しい。そして、無理にSalesforceだけで実現しようと思うと、全体の設計が複雑で変更に柔軟に対応できなくなってしまう・・・というのが弊社の見解ですね。

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KPIを可視化することで見えてきた課題とアクション

芳賀:鎌倉さんは、主にどのようなKPI指標を確認し、それを元にどのようなアクションをされているか、について教えていただけますでしょうか?

鎌倉:今まさにPrazto様に今回構築していただいたダッシュボードですね。たとえば、目標に未達だった場合に「どの分野でChurnが発生した為に数値が悪化したのか」などを分析し、そこに営業人数を増やしておこう等ということを分析しています。

芳賀:そうですね。やはり数字の羅列だけをみても、実際にどうしたらいいかわからないことは多いですよね。TableauはそのようなVizualizationはとても優れていると言われています。数あるBIツールの中でTableauを選ばれたのは、やはりデータマイニングというかデータから示唆される部分に期待して導入をしたのでしょうか?

鎌倉:まさにその通りです。やはり実際のデータを見て改めて気付かされることが多いですね。

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今回のご支援で構築したKPI指標の一覧。
NRRやUnit Economicsといった複雑な指標の可視化も行っている。

Praztoから提案してどのKPI指標をダッシュボードにするかを討議

芳賀:今回はPraztoの「Tableau Public」にある「B2B SaaS KPIダッシュボード」を討議の土台として話を進めましたよね。その進め方はどうでしたか?

鎌倉:とても進めやすかったです。B2B SaaSとして基本的に見るべき指標がまとまっているので、この一般的な指標に対して当社のビジネスで特に注力して確認したい点のみを議論すればよかったので、とても効率的に議論できたと考えています。

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Praztoが公開しているTableau PublicのB2B SaaSダッシュボード
(画像をクリックすると画面遷移します)


芳賀:ありがとうございます。B2B SaaSで確認するメトリクスは、ある程度共通化されていますよね。投資家や株主の観点だと他の企業と比較する意味でも、共通の指標であることが意味を持っていると考えています。一から個社ごとにカスタマイズするよりも、ずっと効率がいいと思っていたのでそう言っていただけるととても嬉しいです。

Praztoはお客様から「他のSaaS企業ではどうやって管理しているんですか?」とご質問をいただくことが本当に多いんです。創業時からSaaSのお客様がとても大きい割合を占めていましたし、導入事例で掲載をさせていただいているお客様がとても著名なSaaSのお客様であることがその理由だと考えています。やはり皆さん「正解がわからない」とおっしゃっています。その正解の提案を当社が出来ているようであれば弊社としても、とても嬉しいですね。

次にTableauで可視化するのはユーザーヘルススコア

鎌倉:これだけ柔軟に可視化が出来るのであれば、今度はアガサのプロダクトのデータとお客様の使用に関するデータとの相関などを一緒に見えるよういしていきたいと考えています。

どういったお客様がアップセルになるのか、どういうお客様がChurnになってしまうのか。どうしておけばChurnにならないのか等はすぐに見れるようにしたいです。CS(カスタマーサクセス)のメンバーも、自分たちが何を確認して動いたらいいのかがまだ曖昧な部分はあると考えています。現時点でもChurn Rate(解約率)は低く維持できていますが、結果論になってしまっている部分はあると考えています。

ですので、カスタマーヘルスを次に確認できるようにしたいと考えています。契約後の1カ月間で、何人がログインしてくれたかとか、週に何回、何にどのくらい使っているかとか、そういうのが知りたいですね。

芳賀:なるほど。カスタマーヘルスの部分をきちんとオンボーディングして、全社員が使って、アガサ様の「SaaSでも重要な機能をお客様がしっかり使っているかどうか」ですね。

鎌倉:そうですね。たとえば文書は登録していても、ワークフローの承認機能まで使っていない、というお客様がいるなどといった部分も明らかにしていきたいですね。当社のSaaSですと、まずは文書の登録数からかなと思います。

芳賀:やはりそこですよね。ドキュメントの登録率が低いお客様の原因を分析し、たとえばそこにオンボーディングを強化して行うといった施策を実行するというのは効果があると思います。

鎌倉:ちなみに他社でも、このヘルススコアの可視化に対して同じ悩みを持たれているのでしょうか?

芳賀:そうですね。他のお客様からも、ユーザーヘルススコア、つまり「ユーザーがどれくらいサービスを継続して活用しているかを可視化したい」という声を多数いただきます。CS(カスタマーサクセス)の方は多くのお客様を見なければいけないと同時に、それぞれのお客様に対して深い行動結果を分析しなければいけないので、やはり使用してるシステムがとても重要になってくると考えております。SaaS事業ではとても大きな要素であるChurn Rate(解約率)を低く保つ為には必須のシステム化ですので、ここはしっかりと作り込まないといけない部分なんですよね。

Google Analyticsさえ導入すれば「お客様ごとに先月はアクセスが増えたけど、今月は減った」のような可視化がすぐに出来ると思われるお客様がとても多いです。ですがデフォルトではこうはならないんですよね。Google AnayticsからSalesfroceへの繋ぎ込み、またどのようなデータをもってユーザーが"活用している"とみなすかどうかはいろいろと仕組化しないとだめなんですよ。次はそこを一緒にやっていきたいですね。

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新人がプロダクトを売るための「型」を作る

芳賀:アガサ様はどんどん新規ユーザーを獲得されていますが、お客様が増えて来ると、一方で、一人ひとりのお客様の動向に気付きにくくなるのでしょうか?

鎌倉:そうなんです。1年くらい前までなら、お客様一人ひとりがどういう使い方をしているのかある程度は把握できていました。しかし、ユーザー数が増えるとあっという間にわからなくなります。そうなると、もうデータを見るしかありませんね。

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芳賀:会社を立ち上げた当初は、鎌倉さんが直接お客様を担当することもあったかと思います。今はもうないのでしょうか?

鎌倉:そうですね。今は私は直接にはお客様を担当していません。しかし2年前まではCS(カスタマーサクセス)のメンバーがおらず、私が全件担当していました。1年前まではプリセールスも全部行っておりました。

芳賀:そうなんですよね、わかります。当社の場合は、私もまだまだプリセールスには自分も参画していますね。やはり自社のサービスを深く理解している代表が直接熱意をもって訴求する事はお客様にとっての信頼にも繋がりますよね。

鎌倉:まさにそう思います。ですので社員数が増えたときには「なぜそこで売れないんだろう」と歯がゆい気持ちになることもありました。私はお客様の業務を理解し、プロダクトのことも全て理解している、ということもあるので成約に繋がりやすいんですよね。しかし、新たに入った営業メンバーだと、プロダクトも業務もわからないので、最初のうちはなかなか売れません。代表である私自身がプロダクトを売るだけではなく、新人でも売れるようになるための「型」が必要なのだと気付いたのです。その型が「データ」なんですよね。データを可視化することで、営業がプロダクトを売りやすくなると考えています。

芳賀:拡大していくためには、新人でも売れるようになるための「型」は必要ですよね。これはお客様の一例なんですが、社員のエンプロイーオンボーディング(社員の定着・育成のための施策)やイネーブルメント(Enablement:成果を挙げるための施策)、たとえば「入社何カ月でどういう研修をしたか」といったデータと、「MRRの相関」を見ているお客様もいるんですよ。つまり、どの研修がどういう効果をもたらしたかを見ているんです。私はこの話を聞いたとき、「なんて面白い試みなんだ!」と感銘を受けましたね。その企業は、社員の研修管理みたいなものをシステム化しているんですよね。外部講師を招いて「1カ月目はこれをやる」「2カ月目はこれをやる」と決めて、その社員がちゃんと受注できているか、MRRが伸びているかの相関を見ているんです。結構画期的な取り組みですよね。

鎌倉:それ、良いですね。弊社でもやってみたいです。

Praztoは何がベストプラクティスかを提案してくれる伴走パートナー

芳賀:アガサ様でのTableauの導入パートナーとしてPraztoを選んでいただき、大変嬉しかったです。弊社はTableauを使っているSaaSビジネスのお客様が多く、その支援を得意としていますが、Praztoの対応はいかがでしょうか。

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鎌倉:SalesforceやTableauに関して「何ができて何ができないのかがわかっていない部分」はどうしてもあるんですよね。その面でPrazto様はこちらの要件さえ伝えればベストプラクティスを提案してくれて、そのまま構築してくれるのでとても良かったです。何が正解なのかを教えてくれるのはとても嬉しいですね。

芳賀:ありがとうございます。伴走支援としてずっとご支援を続けているお客様の中には、時間が経過するにつれSalesforceにも詳しくなり内製で改修ができるようになるお客様はいらっしゃいます。それでも弊社の伴走支援をご希望される理由で一番多いのは、今まさに鎌倉さんがおっしゃられた「何が正解なのかを教えてくれる」箇所なんですよね。ありがたいことに、現在は「自分たちでここまで内製化したけど、それが本当に正解なのかわからないので、Praztoさんに教えてほしい」とご相談をいただくことは本当に多いですね。

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芳賀:今後、Praztoのサービスで、もっとこうしてほしいというのはありますか?

鎌倉:今日のような感じで、Salesforceや、SaaSビジネスにおけるベストプラクティスなどのお話させていただけると嬉しいです。例えば、他の会社さんの事例、従業員のオンボーディングの話とか、実はカスタマーヘルスを測れていない会社もたくさんあるという話とか。「困っているのは実は自分たちだけではなかった」という、気付きを与えてくれるような情報をいただければ嬉しいです。

芳賀:是非!ブレインストーミングで使い方や経営課題について討議したり、意見交換したりする機会を、定期的に作りましょう!

鎌倉:はい。「最近は、こんな面白い使い方があるよ」など、ぜひ教えてください!

【編集後記】
鎌倉様はシステム化をするにあたって、現状の課題が何なのかそれに対してシステム化で何を解決すべきかをとても明確に考えを持っておられるので話していてもとても楽しく、あっという間に終始談笑しながらインタビューすることができました。
SalesforceやTableauでアガサ様のビジネスの拡大に寄与できるように、これからも精一杯のご支援をさせていただきます。
この度はお忙しいところ、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
Prazto(プラート)の公式noteです。 Salesforceの伴走型の導入コンサルティングを行っています。お問い合わせはこちら→info@prazto.com