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【技術力とパフォーマンスの圧倒的な高さを決め手に、AppExchange開発を依頼】freeeサイン株式会社様インタビュー

ワンストップ電子契約サービス「freeeサイン」を運営しているfreeeサイン株式会社(旧社名:株式会社サイトビジット)様。2021年にfreee株式会社グループへ参画し、「リーガル×テクノロジー」で、社会のインフラになることをビジョンに掲げる企業です。
 
今回、株式会社Praztoでは、freeeサイン株式会社様のご支援として、freeeサインとSalesforceを連携したAppExchange開発を実施いたしました。freeeサイン株式会社様としても大きな期待が込められていた本プロジェクト。なぜパートナーとしてPraztoをお選びいただけたのか、そして開発を経てご評価いただけた点や、今後期待する点をお聞きしました。プロジェクトをご担当されたfreeeサイン株式会社の押谷様と、Praztoコンサルタントの増田との対談形式でご紹介します。

●押谷 和哉
freeeサイン株式会社 セールス本部 セールス企画部 セールス企画グループ チームリーダー
新卒で独立系SIerに入社、10年間Webシステムのスクラッチ開発を担当した後、2014年から某チケットサービスの大規模サービス開発のPMを担当。2018年からSalesforceインプリベンダで顧客マネジメント、ラインマネジメントを担う。2021年9月に株式会社サイトビジット(現社名:freeeサイン株式会社)入社、現在はfreeeサインAPIを用いた外部連携開発責任者として従事する。

●増田 淳一
株式会社Prazto Senior Consultant / Manager
独立系SIerに入社、約3年間SalesforceエンジニアとしてSales CloudやService Cloudの導入支援に携わる。
その後Salesforceから離れ、AccessやExccelのシステム開発やOracleのシステム開発などを経験。
2022年1月にPraztoに入社、PMとしてSalesforceの導入を行う。

■課題に対して、適切なアプローチを即座に提案してくれたPrazto

―まず、御社の事業内容について改めてご説明いただけますか。

押谷:中小企業向けのワンストップ電子契約サービス「freeeサイン」を運営しています。2021年4月にfreeeグループに参画し、freeeの提供する統合型クラウドERPと共に、会計・ワークフロー・人事労務と契約を一体で効率的に管理できる仕組みを構築しています。その後、2021年の12月に事業分割して、freeeサインの運営だけに選択と集中。企業が契約締結する上での不便や課題を全て解消し、法律を実務で使う方々を支えるべく、「使いやすさ」と「すぐにつながるサポート」を大切にしています。

2022年8月にリリースした freeeサイン for Salesforce
Praztoが開発をいたしました

―では、今回freeeサインをSalesforceと連携したAppExchange開発を行った経緯について、教えてください

押谷:昨今のSaaSビジネスの潮流として、単独でサービスを拡大するには限界があり、他社SaaSとの連携を通じてサービスを普及させていく傾向があります。そのため、弊社としても他社SaaSとの連携による販路の拡大が急務でした。しかし、なかなかその足がかりがつかめない期間が続いていました。その中で、電子契約サービスであるfreeeサインはCRMとの親和性が高いだろうという話になり、Salesforceが連携先の候補として挙がりました。

当初はfreeeサインとSalesforceの間にコネクタのようなものを設けて、そこを支点にやり取りをする……といった仕組みを考えていました。しかし、サービスの拡販という面を考えると、AppExchange開発を行った方がブランドとしての価値も上がり、導入のしやすさにもつながる。もちろん、後者の方が構築難易度は各段に上がりますが、そこはサービスの拡販を優先しました。

―今回のプロジェクトで、Praztoを選んでいただいた理由や決め手はどういった点にありましたか。

押谷:最初の20分程度の面談の中で、技術力の高さと信頼感を直感できたからです。

パートナー選定をしている中で、御社と面談する前にすでに4~5社のSalesforce開発ベンダー様と面談していました。その中でも御社の技術力が明らかに高いと感じたのが正直なところです。例えば弊社はシンプルな設計にしたいのに、「どういったソリューションにしましょうか」と尋ねると、「ゴリゴリに開発するしかありませんね!」と返ってくることも。このようにこちらが求めている回答とズレを感じると、不安感につながります。だからこそ、ベンダー様には、弊社の課題に対して適切にアプローチできるソリューションを提案いただきたいと思っています。その点で御社の場合、一つ一つの回答が、私が想定していたものとほぼ同じ。むしろ、またちょっと違う角度から私が思いつかなかったような提案をいただくこともあって、とても信頼できると直感しました。

増田:技術力の高さは弊社の強みとして掲げている点です。そして、その技術力を持って適切なレスポンスを返すという点も、メンバー全員がとても大切にしていることなので、評価いただけて嬉しく思います。

押谷:Praztoさんに依頼できなかったら、プロジェクトは難航するだろうなというのがわかるくらい、飛び抜けていました。

増田:ありがとうございます。

ご提案時に作成した弊社からの提案構成
お客様のご要望に最適なシステム構成を提案
(当時はNINJAサインという名称のシステムでした)

■Salesforce社によるセキュリティレビューも、苦労せずにクリア

―今回のプロジェクトで苦労された点はありましたか。

押谷:二点あります。一点目は、昨年末の要件定義の段階で、私たちの方でAPI開発が追いついていなかった点です。

社内で出てきたSalesforceで実現したい内容をfreeeサインのAPIに翻訳しなければならないという時に、並列して御社との開発も進めつつということもあり、プロジェクトのコントロールや課題の整理に苦心しました。

二点目はアプリの仕様面の問題です。具体的には、freeeサインから直接送られた電子署名と、Salesforceを経由して送られた電子署名は区分けしないと請求方法が変わってしまいます。その区分けをアプリに組み込んだのですが、相当苦労しながら進めました。

Salesforceをいくら熟知していても、“やってみないとわからない”という側面はありますし、予想もしない穴に陥ることがあると思っています。

特に、今回のように通常のSalesforceのカスタマイズ開発ではなく、AppExchange開発だと、より制限が多く、ヘルプにも記載がないような思わぬ点で引っかかることもあります。でも、そこは増田さんと二人三脚で乗り越えられたと感じています。

増田:ありがとうございます。あと、開発後のSalesforce社によるセキュリティレビューも心配な点ではありましたよね。

押谷:そうでしたね。レビューを申請するまでに時間も金額もかかりますし、英語で提出しなければならないというハードルもあります。しかも1度で合格することはまずない。様々な指摘が出て、その修正に3ヵ月もかかるとかもざらです。でも結局、軽微な指摘が1件あっただけでしたよね?

増田:そうですね。

押谷:それがすごいことだったと思っています。御社のAppExchange開発支援のノウハウの賜物だなと感じました。

freeeサイン for SalesforceのAppExchangeページのスクリーンショットの1枚
Salesforceの機能を活かしつつ、
的確なプログラム開発でユーザーの操作性の高さを実現しています。

■満を持してのAppExchange開発。freeeサインのさらなるブランド力向上を期待

―御社が当初抱えていた課題に対して、今回開発したAppExchangeにどのような期待をお持ちでしょうか?

押谷:端的に言うと、freeeサインのブランド力向上です。“AppExchangeに載せられるアプリである”という権威付けがされたことで、セキュリティレベルも担保されました。それによりfreeeサインの新規顧客獲得も期待しています。

増田:既存のユーザー様でもSalesforceを使われている方は多いですか?

押谷:はい。連携できないか問い合わせいただくこともありました。なので、満を持してのAppExchange開発でしたね。今後の期待値はとても高いです。

増田:実際、弊社にも電子署名のお問い合わせをいただくことが増えています。企業様の中で需要が高まっているように感じますね。Salesforce新規導入のタイミングで、freeeサインを同時に希望される企業も増えてくるのではないかと予想しています。

■Praztoの適切なソリューション提案のおかげで、シンプルで操作性が高いアプリが完成

―今回のプロジェクトで、Praztoにご依頼いただき良かった点についてご教示ください。
 
押谷:いくつかあるのですが、一点目は開発コストも考慮した上での適切なソリューションをご提供いただけたこと。その結果、機能数が約30と多いながらもかなりシンプルな構成に落ち着くことができました。例えば、契約書作成時にはSalesforceから特定の商談を選んで、確認ボタンを押していくだけ。ひな形完成まで1分もかからないなど、競合製品と比較しても、操作性はかなり高いのではないかと評価しています。この点は、御社と弊社のお互いの認識で、ゴテゴテな開発はしないという定義が一致していたのだと思います。
 
もう一点目は、予定通りにデリバリーできた点。途中で機能の追加をご提案したのですが、その際も柔軟に対応いただけましたし、結構なボリュームな開発だったにも関わらず無事に完遂できました。しかも開発コストも低く抑えていただいています。正直、コストメリットという点でも他社とは比較にならないレベルでした。

増田:ありがとうございます。

押谷:私自身、前職でSalesforceのベンダー企業に在籍していた経歴もあり、絶対に良いものを作りたい! という気持ちが強くありました。御社には「あれどうなの?」「これどうなの?」と、様々な意見を伝えて、ある種やりづらい顧客だったかとも思います(笑)。

増田:そんなことはございません。むしろ、知識面などでサポートいただく部分もあり、二人三脚で走り切ることができたと実感しています。

■AppExchange開発は第一弾。今後もPraztoと伴走していきたい

―お話できる範囲で構わないのですが、今回のAppExchange開発を通して、今後どのような事業展開をお考えですか?

押谷:そうですね。まずは、ブランド力向上と販路拡大を目指しています。その結果、freeeサインをもっと社会に浸透させていきたい。そして今後もサービスの利便性を追求して、よりユーザーのニーズに応えられる製品にしていき、「電子契約だったらfreeeサイン」といったポジションを目指していきたいです。その結果、弊社の親会社であるfreee株式会社がミッションで掲げている「スモールビジネスを、世界の主役に」の実現に貢献したいですね。

増田:今回の開発当初から事業の先の展開まで見据えられていますよね。やりたいことの基盤があって、すでにバージョン2の構想も考えられていました。

押谷:そうですね。まずはSaaSビジネスとしての今後の展開の第一弾として、Salesforceとの連携、AppExchange開発に着手したという感覚です。今回のプロジェクトに関しても、当初必要最低限の依頼をして、弊社の中にある様々なアイディアを元に一緒に考えながら進めていった感覚があった印象です。

増田:おっしゃる通りです。今後、弊社に求める対応はございますか?

押谷:弊社の事業展望を叶えるためには、御社のお力添えが必ず必要になる、ということを痛感しています。今後も足並みをそろえて引き続き末永くお付き合いいただきたいと思っています。

増田:こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

(写真・小川拓也/構成・菱山恵巳子)