【mergencyによるマージ自動化で、顧客情報の統合とメルマガ配信作業の効率化を実現】ビートレーディング様インタビュー
2012年の創業以来、ファクタリング業界のパイオニアとして、法人や個人事業主の資金繰りをサポートしてきた株式会社ビートレーディング様。
今回、ビートレーディング様は、智歳株式会社が提供するデータ重複の自動除外サービス「mergency(マージェンシー)」を導入。そのご支援をPraztoが行いました。mergency導入前の課題から、導入後の変化、そしてPraztoの対応のご評価について、代表の芳賀が伺いました。
問い合わせごとにデータを作成。お客様のステータス管理がネックに
芳賀:今回、Salesforce内の重複しているデータを自動でマージするサービス「mergency」を導入いただきました。導入に至る前、どのような課題があったのでしょうか?
石本:大きく3つの課題がありました。1点目は、お客様からのお問い合わせごとに顧客情報が作成されるため、リードの一括管理ができなかったことです。
弊社では、一人のお客様から複数回お問い合わせをいただくケースが多々あります。例えば、一人のお客様から3回お問い合わせがあった場合、顧客情報が3つ作成されます。同じお客様に対して新データと旧データが混在している状態なので、最新の契約状況や過去の情報の一括管理ができなかったのです。
2点目は、マーケティング施策として行うメルマガ配信リストの重複です。
顧客情報が3つ存在した場合、手動で重複の削除をしていました。その作業を自動化したかったのです。
3点目は、メルマガの送信除外の見落としです。
配信リストの重複に付随した問題なのですが、「メルマガは要らない」というお客様に3つ顧客情報があった場合、1つの情報に対してだけ送信除外をしても、2、3つ目の顧客情報に対して送信除外設定をしなければ、お客様にメールが届いてしまいます。この作業も手作業で行っていたので、メールを誤配信してしまったケースもありました。
芳賀:mergency導入前は、そういったメルマガ配信や営業活動の際、顧客情報をその都度検索して、複数ある履歴と照らし合わせていたのでしょうか?
石本:そうですね。一人のお客様に対して複数の顧客データを確認しなければならなかったので、大前提としてかなり工数がかかっていました。そして顧客データのうち1つでも見落としてしまった場合、ステータスの把握漏れも起きてしまいます。
斉藤:それによりこれまで大きな損害が出ていたわけではないのですが、一番新しいお問い合わせ状況を見落としてしまった場合、営業禁止のお客様に誤って営業してしまうなども発生し得ます。重複している顧客情報のステータス更新は手間もかかりますし、万が一漏れがあるとクレームにも繋がりかねません。そういった状況を解消したいと思っていました。
芳賀:弊社が過去にご支援をした企業様でも、似たような悩みを抱えておられたことがありました。重複データの更新漏れが原因で、過去にクレームを受けたお客様に再度営業してしまい、さらに大きなクレームになってしまったという事例です。特に分業体制をとっている場合、架電担当が内部オペレーションに精通していないこともあります。誰が見てもステータスを判断できるように顧客データを整えることは大切ですよね。
問い合わせデータは残しつつ顧客管理をすべく、mergency導入
芳賀:それらの課題解決にあたり、mergency以外にも導入を検討されたサービスはありましたか?
石本:率直に言うと、他に検討した対応策はなかったですね。なかば諦めていたというのが実情でした。
芳賀:たしかに、データをマージするだけのサービスがそもそもあまり存在していないと個人的にも感じています。Salesforceの標準機能で重複にルール付けをすると、WARNING表示をさせるか、レポートで表示させるか、ブロックするかという解決策になります。
斉藤:そうなんですよね。もちろん、お客様からお問い合わせがあった際に、顧客データがすでに存在している場合、新規データを作らないという選択肢もあるかと思います。しかし弊社の場合、「お問い合わせの数」もとても重要な指標です。顧客データがすでにあろうとなかろうと、「お問い合わせ」という意味で1件データを作ることは必須なのです。顧客データの統一よりも、お問い合わせ数把握の方が優先度が高いという背景があります。
芳賀:では、mergency導入の決め手は?
石本:先ほど述べた3つの課題解決をしたかったという大前提がありつつ、やはり社内の生産性向上のためにも導入を決めました。そして今、会員サイト制作も進行していますので、その前段階として導入しようとした経緯ですね。
芳賀:会員サイト開設にあたり、事前にデータを整備する必要があったのですね。
斉藤:そうですね。データ整備はやった方が良いだろうという考えでした。またmergencyと同時にMAツールの「Pardot」も導入したので、生きているユニークユーザー数を把握したかったという想いもありました。
今後も「やっぱりPraztoの支援は良かった」と感じそう
芳賀:実際にmergencyを導入されて、御社の課題は解決されましたか?
石本:まず、顧客情報の統合とメルマガ配信作業の効率化という当初の課題は解決しました。また、ユニークユーザー数の把握に関しても一定数メリットがあり、マーケティング施策や営業方針への展開がしやすくなったと感じています。
芳賀:mergency導入時の弊社のご支援はいかがでしたか?
石本:とてもスムーズなコミュニケーションが取れたと感じています。というのも、弊社のビジネスモデルは少し特殊な点もあります。まずはそこを理解していただき、そのビジネスモデルに沿ったかたちでサポートしていただきました。また、条件整理から認識のすり合わせまで丁寧に進行していただき、ありがたかったです。
斉藤:システム導入は、そのシステムの仕様に弊社側が合わせることがほとんどですが、御社の場合、弊社に合わせて柔軟に対応いただきました。弊社の立場をご理解いただき、とても感謝しております。逆に今後、全く別のシステムを導入した際に「やっぱりPraztoさんの支援は良かったんだな」と思ってしまいそうですね。
芳賀:ありがとうございます。 Salesforceはカスタマイズができる分、お客様のご要望にきちんと対応することが、業界標準になっています。mergencyもその柔軟性を活かしたサービスなので、弊社としても、お客様に使っていただくまでのサポートを徹底しています。その点を評価いただけたことはとても嬉しく思います。
mergencyをより活用するために
芳賀:mergency導入後、次の課題などは出てきていますか?
石本:たしかに当初の課題は解決したのですが、まだ手間がかかっている部分はあります。現在「60日以上経過」という条件でマージをしていますが、例えばマージ後に過去のリード件数を見たい時には、ケースに入ってしまったデータのレポートをCSVに落とし、合算する必要があります。マージしたデータとケースに入れたデータを一緒に見ることができたら良いなと思います。
斉藤:頻繁に見るものではないけれど、気になった時に調べようと思ったら、ちょっと手間を感じる…といった状況ですね。
芳賀:なるほど。たしかにその点は、Salesforceのダッシュボードの弱点でもありますよね。そのようなお悩みには、Tableauでデータ可視化をするという解決策もあります。
斉藤:また、初回のマージに日数がかかったなという印象もありました。リード数が多かったので、条件を分けて、何日かに分けてマージを行いました。処理件数が多くてもまとめて一括でマージできると良いなと感じます。
芳賀:初回のマージに日数を要してしまうのはシステム上の課題でもあります。今後、スピードは改善していこうと考えております。
石本:ありがとうございます。もう一点、これは弊社側の設定の問題なのですが、誤ってマージしないように条件を厳しくしたため、マージ漏れが一部発生してしまっています。こちらは解決策はあるのでしょうか?
芳賀:mergencyは、一旦カスタムした条件設定も設定画面上で比較的スムーズに変更できる利点があります。その点はいかがでしょうか?
斉藤:もちろん、設定を簡単に変更できる点について認識はしています。ただ、顧客データにエラーが発生するのは避けたいので、設定変更にも慎重になっています。導入時に設定を変えた時も「この設定を変えただけで、こんなにデータが変わるんだ!」と実感しました。どうしても設定変更に踏み切れなくて。
芳賀:例えば、この設定をこのように変えたら、どのデータがマージするかといった、シミュレーションができるようになると良いでしょうか?
斉藤:たしかに、シミュレーションができたらとても嬉しいです。
芳賀:ありがとうございます。機能改善の参考にさせていただきます。また、他のお客様からは条件設定を「or」「&」と記号ではなく「この場合はこう」と、日本語文章で設定したいというご要望もいただいて。将来的に、ChatGPTなどと連携した条件設定も構想しています。引き続き御社のビジネスのお力添えができるよう、mergencyも進化させていきます。
(構成:菱山恵巳子)