
【データをSalesforceでワンプラットフォーム化、営業戦略への活用に期待。】株式会社アルフレックスジャパン様インタビュー
数多くの名作家具を生み出し、モダンライフスタイル提案の先駆けでもある家具メーカー、株式会社アルフレックスジャパン様。今回、社内で使用していた基幹システムをSalesforceへ刷新。Praztoでは、開発と導入をご支援いたしました。
これまでもさまざまなシステムを駆使し、複雑な在庫管理や顧客管理を行っていたというアルフレックスジャパン様。なぜ、いまSalesforce導入に至ったのか、そしてPraztoをパートナーにお選びいただいた理由、さらには導入後の感想とPraztoのご評価は? 株式会社アルフレックスジャパン取締役 管理部本部長の吉野弘紀様、管理本部 情報システムチームリーダーの伊藤尚之様に、今回のプロジェクトを担当したPraztoコンサルタントの小松崎と伺いました。

●吉野 弘紀
株式会社アルフレックスジャパン 取締役 管理本部長
1989 年 都市銀行に入社し銀行業務経験を経て、バブル崩壊後の経営再建のため、1993 年 アルフレックスジャパンに入社。財務経理部門の責任者として経営再建に関わり、1997年 財務経理、情報システム、人事総務を統括する取締役管理本部長に就任。2022 年より Salesforce による<One Platform Project>責任者を兼任し、全社基幹システム統合に関わる。

●伊藤 尚之
株式会社アルフレックスジャパン 管理本部 情報システムチーム リーダー
1986 年 菓子メーカーに入社後、電算室の責任者として、基幹システムの自社開発に携わる。2000年 アルフレックスジャパンに入社。情報システムチーム リーダーとして、基幹系、情報系システム全般の開発に携わる。2016年に他社CRMシステムの導入を経て、2022 年より Salesforce の企画、導入を行い、運用支援対応中。

●小松崎 恭司
株式会社Prazto Cloud Integration Division Manager / Lead Consultant
2003年 某ソフトウェア開発会社に入社、2012年Salesforceにかかわるプロジェクトに参画し、2014年に独立系SIベンダーに入社後、Salesforceを中心としたシステムコンサルティング、開発に従事。Salesforceに出会う前に、様々なプログラミング言語やデータベースを使い、クライアントサーバーのシステム開発に従事していた経験より、Salesforce✕基幹システムの組み合わせを得意とする。2022年2月よりPraztoに参画し、Salesforce導入開発チームのLead Consultant兼マネージャーとしてチームマネジメントや組織作りを担当。

●宮本麻由
株式会社Prazto Corporate Division Chief
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当。その後、医療機器系商社にて営業事務や法務等のバックオフィスとしての経験を積む。社内システムの入れ替えや業務プロセス改善に取り組む中でITへの関心を持ったことや、より幅広い業務に携わりたいという思いから、2022年4月Praztoに参画。現在は法務・営業事務・広報・総務・内部統制など幅広いコーポレート業務を担当。
■物流データ・顧客データを、Salesforceでワンプラットフォームに。
―改めて、御社の事業内容および現在力を入れていらっしゃる製品ついてご説明ください。
吉野:主な事業は、家庭用家具の製造・販売です。社名でもある「arflex」がメインブランドとなります。1951年にイタリアで生まれたarflex ブランド。名前の由来は、イタリア語で「家具」を指す「arredamenti」と、英語で「柔軟性」を指す「flexibility」を組み合わせた造語です。いつの時代にも、どんな環境でも適応する家具でありたいという想いが込められています。イタリアで修行を積んだ創業者が1969年の帰国後に、国内展開を始め、普遍的な価値に時代ごとの感性を取り入れながら、日本オリジナルの製品をつくり続けています。特にソファ製品が主力家具となっていますね。
その他、イタリアの家具ブランドとライセンス契約をして輸入販売も行っています。システム収納やキッチンなどが特徴的な「Molteni&C | Dada」、無垢材家具ブランド「Riva1920」、アウトドア家具の「RODA」を取り扱っています。
競争が激しい業界ですが、「トータルでのご提案力」を強みにしています。弊社にご相談いただければ、リビングやダイニング、キッチン、寝室、収納、グリーンや照明、カーテン、アートにいたるまでトータルにご提案いたします。

―ありがとうございます。今回なぜSalesforceの導入を決めたのでしょうか?
吉野:元々当社が使用している基幹システムは、「2000年問題」の対応のために導入したもので、20年以上使用していました。当社の複雑な事業、特に物流や在庫管理に対する対応力は非常に高いものの、顧客管理が脆弱という課題を抱えておりました。
そこで、5~6年前にBtoCの顧客管理用システムを導入。見積りの手前の接客段階で生まれたデータを管理し、そこから先を既存のシステムにつなげて対応することに。しかし、それらも一部しか連携できていない状況だったので、やはり根本から解決すべき課題であるとの認識がありました。
そして、当社にとっての「DXとは何か」を改めて考えた時に、優先すべきは「ワンプラットフォームで、データをすべて連携していくこと」と、議論が進みます。そのためのツールを模索した時、当社の事業規模でワンプラットフォームとしての実現性が高いシステムはSalesforceだという結論に至りました。
今回、Prazto社にはCRM領域でのSalesforce開発導入に携わっていただきましたが、当社にとってのゴールはまだ先です。ERPあるいは製造のデータの統合、さらに社外のビジネスパートナーとの連携も含め、トータルでのデータ連携をSalesforceに期待しています。

■課題に対する素早い提案力を評価し、Praztoに発注。
― データがさまざまなシステムごとに点在している、という悩みを抱えている企業様は少なくありません。他にも課題はありましたか?
吉野:弊社も先述した基幹システム以外にも、物流管理や人事管理など周辺のソフトが複数存在しています。なので、やはり至るところにそれぞれのマスターが存在してしまっている状況で。社内のシステムチームも少数精鋭なので、それらをすべて管理することも、とても負荷が大きい点は課題ですね。
伊藤:システムの管理だけでなく、社内で使用しているPC端末、スマートフォン、タブレットといったハードウェアや、各ソフトのライセンス管理も行っている状況でしたので……。
吉野:かと言って闇雲に人を増やせばいいわけではないですし、せめてマスターは統一させようと、外部パートナー企業様と新しい基幹システム構築していく方向へ舵を切ったんです。

―そういった背景がおありだったのですね。 では、今回のプロジェクトにおいて、Praztoを採択した理由はどういった点にあったのでしょうか?
吉野:Salesforceさんからの推薦がPrazto社との出会いでした。Salesforceさんが絶大なる信頼を寄せていたので、当初から期待はしておりました。
そして、初めて芳賀社長とオンラインで面談をした際の対応が決め手でしたね。弊社の課題を伝えると、芳賀社長の頭の中でどんどんシステムの概要が組み立って行く。それをその場で手書きの設計図として見せていただけて、とても感心しました。
面談は、代表の保科と伊藤と私が参加したのですが、終わった後に社内でも「Salesforceのことはなんでも知っていてすごい!」という感想で(笑)。
小松崎:ありがとうございます。基幹システムや新しいプラットフォームの知識はどんどん取り入れているので、最新の情報で総合的にコーディネートしてご提案できるのは、芳賀をはじめ弊社の強みでもあります。
吉野:リアルにお会いせずにオンラインでその感動を得られたのも、とても新鮮で。なんのためらいもなく発注いたしました。

■ゼロベースでのSalesforce導入。Praztoのスムーズなプロジェクト進行に助けられた。
―実際にプロジェクトが進行する中で、ご苦労された点はありますか?
伊藤:社内でSalesforceの知識がゼロベースのスタートだったので、進め方も試行錯誤しながらでしたね。お打ち合わせをしている中でも、まず、どのように形になっていくのかがイメージしづらかったのは、苦労した点ですね。
小松崎:お互いに目線をどのように合わせていくかは、丁寧に進めたポイントではあると感じております。
吉野:そうですね。また、まず先行投資としてライセンスを購入しなければいけないという点も、我々がこれまで経験してきたシステム開発プロジェクトとは異なる点でした。弊社としても勇気がいる行為で。
伊藤:弊社は、先に仕様を固めて作って、編集していくウォーターフォール方式での開発に慣れていました。アジャイル方式での構築は、コミュニケーションや先行投資の回数が増える分、慣れない部分もありましたね。

ーPraztoの対応はいかがでしたか?
伊藤:ゼロからのスタートで構築まで無事辿り着けたのは、Prazto社にかなり密にコミュニケーションを取っていただいたおかげだと思っています。
吉野:レスポンスが早く、プロジェクトの進め方もスムーズでした。ツールを駆使しながら行っていただいたおかげで、常に情報の漏れがなく、コミュニケーションが見える化されていたので、すべてオンラインのやり取りであっても全く問題ありませんでした。
伊藤:こちらからの要望に対し、Salesforceの画面をその場で直し、見ながら進められたのも、イメージがわかりやすく、とても助かりました。

■現在は、データ活用のスタートライン。
― 実際に、Salesforceを導入したことによる効果はいかがでしょうか?
吉野:これまで案件管理はExcel上で行うなど、SFAの機能が社内で確立していなかったので、今回の導入で営業戦略にデータを活用していく、というメッセージを営業の現場に伝えるスタートラインに立てたと思っています。
小松崎:基幹システムができたからこそ、ここから先さまざまな機能も盛り込み、どのようにデータ活用が広がっていくか楽しみ、ということですね。

吉野:はい。これまで営業担当が案件を獲得してきても、なかなか社内で情報共有がされていなかったんです。案件共有は全てメールで行っていたので。案件情報は、個々人のメール管理、ファイル管理の能力に依存してしまっていました。まだまだ道半ばですが、情報が一元に集まっていく可能性が見えてきています。うまく使えればかなり効率があがると思います。
一方で、ユーザー側を巻き込んでいくには時間がかかるとも思っています。社歴が長く、これまでのシステムに慣れていた社員からはどうしても「今までできていたことができない」というネガティブな声も上がってくることも。社内へ浸透させていくプロセスには、まだまだ苦労がかかりそうだなと感じています。

小松崎:機能面で、すでに出てきている課題などはありますか?
吉野:グローバル検索の検索性が高い反面、余計な情報まで引っかかることですかね。欲しい情報にたどり着くまでが、わりと大変だと感じています。どんどんダッシュボードも作られているのですが、まだ整理ができていません。自分が欲しい情報にスマートにたどり着くためにはどう整理をして、検索性をあげていくか考えなければならないですね。
伊藤:我々システムチームもゼロベースからの導入だったので、現場からのSalesforceの問い合わせにすぐに回答ができない点は現時点で苦労しています。ただ、社内にナレッジを貯めていくためにも、乗り越えるべき壁であるとは認識しています。
小松崎:ありがとうございます。すでにでてきている新しい課題も含め、今後も一緒に解決策を考えながら、ご支援いたします。

(写真・小川拓也/構成・菱山恵巳子)